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視線分析で学ぶ重機操作の極意③:どこをどのタイミングでどのくらい見ている?
そもそも、「どうやって視線分析動画は作られているか」、気になったことはありませんか?本記事では、視線の動きを計測するアイトラッカー「EMR-9」と視線解析ソフトについてお話しします。
#1 視線カメラが付くEMR-9 アイトラッカー
まず、被験者の瞳孔の動きや大きさの変化も記録可能な視線計測デバイス「EMR-9」で熟練者の掘削作業中の注視点を撮影します。

(左)EMR-9アイトラッカー (右)EMR-9による視線データ計測
#2 注視点ヒートマップの作成
その後、取得したデータを処理し、注視点ヒートマップを作成します。ヒートマップの作り方は、まずオペレーターの視野と同じ画角の画像を準備します。多くの場合注視点動画の中の特定のタイミングを選び、その時点の映像からスクリーンショット画像を取得します。この画像をもとに、ヒートマップを作成します。注視点動画のそれぞれのシーンをコマ送りで表示し、それぞれのタイミングでどこを見ていたかをターゲット表示する機能に従い、当初の画像にプロットして行きます。ヒートマップ画像では注視時間の長さによって色が異なります。カラーレンジに従って、例えば赤い箇所を長く見ていることを表示しています。

#3 視点解析動画の作成
注視点動画は被験者の視野内の項目に異なる色でマークを付けることができる分析用ソフトウェアにて作成されます。
上の映像のように、項目ごとに異なる色でマークが付けられています。バケットは緑色、φ450の埋設管はピンク色で表示されています。これにより、視線分析データを可視化ができ、熟練者がどのように効果的な掘削作業を行っているのかを学ぶことができます。具体的に、視線解析動画をご覧ください!
重機オペレータの視線解析動画(画像をクリックで動画再生)
まとめ
以上のように、EMR-9を用いた視線データの取得から、解析ソフトにより視覚化・分析までの一連の流れをご紹介しました。言葉では説明することが難しくても、実際の注視箇所を見ることで今まで意識していなかった技能のコツに気付くことが出来るかもしれません。視線分析は技能習熟分野に限らず、様々な領域で使用されています。 まさに「百聞は一見にしかず」で新しい発見を求めて色々な場面で使ってみましょう。